@IDX:18000
@OFF:0x139
@SPK:
@JPN:　あまり聞き慣れない空調の音で目が覚める。
@ENG:

@IDX:18001
@OFF:0x171
@SPK:
@JPN:　一瞬、自分がどこにいるのか分からなかった。
@ENG:

@IDX:18002
@OFF:0x1bd
@SPK:
@JPN:　徐々に身体が覚醒してきて、五感が働き出す。
@ENG:

@IDX:18003
@OFF:0x1f7
@SPK:
@JPN:　豪華な調度品、沈香の香り……副院長の香り。
@ENG:

@IDX:18004
@OFF:0x231
@SPK:
@JPN:　そうだ、昨日は仮眠室に泊まったんだった。
@ENG:

@IDX:18005
@OFF:0x279
@SPK:
@JPN:　ふと気づいて、がっくりとうなだれる。
@ENG:

@IDX:18006
@OFF:0x2ad
@SPK:
@JPN:　結局、副院長は戻ってこなかった。
@ENG:

@IDX:18007
@OFF:0x2dd
@SPK:
@JPN:　もしかしてあの男と……。
@ENG:

@IDX:18008
@OFF:0x305
@SPK:
@JPN:　恐ろしい考えが頭をよぎる。
@ENG:

@IDX:18009
@OFF:0x341
@SPK:
@JPN:　そんなはずはない。
@ENG:

@IDX:18010
@OFF:0x363
@SPK:
@JPN:　あの副院長が、あんな男を受け入れるはずはない。　
@ENG:

@IDX:18011
@OFF:0x3b5
@SPK:
@JPN:　でも、あの下卑た男のことだ。
@ENG:

@IDX:18012
@OFF:0x3e1
@SPK:
@JPN:　薬物入りのお酒で副院長を前後不覚にして……。
@ENG:

@IDX:18013
@OFF:0x41d
@SPK:
@JPN:　でなければ腕力に物を言わせて……。
@ENG:

@IDX:18014
@OFF:0x47c
@SPK:
@JPN:　『いや、いやぁぁ、助けて、助けてーー！！』
@ENG:

@IDX:18015
@OFF:0x57e
@SPK:
@JPN:　副院長の悲鳴が頭の中に響く。
@ENG:

@IDX:18016
@OFF:0x5aa
@SPK:
@JPN:　早く、早く副院長を助けないと！
@ENG:

@IDX:18018
@OFF:0x6c4
@SPK:［千草］
@JPN:　あら、おはようお寝坊さん。そんなに慌ててどうしたの？
@ENG:

@IDX:18021
@OFF:0x7db
@SPK:[\protag]
@JPN:　ふ、副院長？
@ENG:

@IDX:18023
@OFF:0x82c
@SPK:［千草］
@JPN:　ウフフ、寝ぼけているのかしら？　鳩が豆鉄砲食らったような顔して。
@ENG:

@IDX:18026
@OFF:0x8a4
@SPK:[\protag]
@JPN:　いや、あの、その……。
@ENG:

@IDX:18028
@OFF:0x8ff
@SPK:［千草］
@JPN:　どうしたの？　もしかして、昨夜帰ってきた時に起こさなかったから怒ってる？
@ENG:

@IDX:18031
@OFF:0x97f
@SPK:[\protag]
@JPN:　え？
@ENG:

@IDX:18033
@OFF:0x9c8
@SPK:［千草］
@JPN:　ごめんなさい。でも、あなたの寝顔がすごく可愛くて、それにとても気持ちよさそうに寝てたから……。
@ENG:

@IDX:18036
@OFF:0xa5e
@SPK:[\protag]
@JPN:　副院長、昨夜帰ってきたんですか？
@ENG:

@IDX:18038
@OFF:0xb7f
@SPK:［千草］
@JPN:　え？　ええ、そうよ。
@ENG:

@IDX:18041
@OFF:0xbcb
@SPK:[\protag]
@JPN:　じゃあ、あの男とは……。
@ENG:

@IDX:18043
@OFF:0xc28
@SPK:［千草］
@JPN:　え？　北先生と？
@ENG:

@IDX:18046
@OFF:0xc70
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:18048
@OFF:0xcbf
@SPK:［千草］
@JPN:　もしかして、そんなこと心配してたの？
@ENG:

@IDX:18051
@OFF:0xd1b
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………はい。
@ENG:

@IDX:18053
@OFF:0xe2a
@SPK:［千草］
@JPN:　ぷっ！　あははははははっ！
@ENG:

@IDX:18056
@OFF:0xe7c
@SPK:[\protag]
@JPN:　わ、笑い事じゃありません！！　どうなんですか！？
@ENG:

@IDX:18058
@OFF:0xef1
@SPK:［千草］
@JPN:　わ、私と北先生がって……あははっ、そ、そんなことあるわけないじゃないっ。
@ENG:

@IDX:18060
@OFF:0xf7e
@SPK:［千草］
@JPN:　あ、あの男にそんな度胸あるわけないし、あったとしても、私の方からお断りだわ。
@ENG:

@IDX:18063
@OFF:0x1002
@SPK:[\protag]
@JPN:　よかった……。うぅ、ひっく……。
@ENG:

@IDX:18065
@OFF:0x1123
@SPK:［千草］
@JPN:　ちょ、ちょっと、泣かないでよ……。
@ENG:

@IDX:18068
@OFF:0x117d
@SPK:[\protag]
@JPN:　だ、だって、僕……本当に心配で……。
@ENG:

@IDX:18070
@OFF:0x11e6
@SPK:［千草］
@JPN:　あ……ごめんなさい、心配させちゃって。でも、本当に昨日は何もなかったから安心していいのよ。
@ENG:

@IDX:18072
@OFF:0x1318
@SPK:［千草］
@JPN:　大丈夫よ。私はあなたのそばにいる。あなたを護ってあげる。
@ENG:

@IDX:18075
@OFF:0x1388
@SPK:[\protag]
@JPN:　ふ、副院長……。
@ENG:

@IDX:18077
@OFF:0x13dd
@SPK:［千草］
@JPN:　さ、落ち着いたんなら仕事に行きなさい。
@ENG:

@IDX:18080
@OFF:0x143b
@SPK:[\protag]
@JPN:　……はい。
@ENG:

@IDX:18082
@OFF:0x148a
@SPK:［千草］
@JPN:　もう……なにガッカリしてるの？　そういうことは、仕事が終わってから……ね。
@ENG:

@IDX:18085
@OFF:0x150c
@SPK:[\protag]
@JPN:　は、はい！
@ENG:

@IDX:18088
@OFF:0x162f
@SPK:[\protag]
@JPN:　はい、どうぞ。
@ENG:

@IDX:18090
@OFF:0x171e
@SPK:［真魚］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:18093
@OFF:0x1760
@SPK:[\protag]
@JPN:　おはよう、真魚。今日はいい天気だな。
@ENG:

@IDX:18095
@OFF:0x183f
@SPK:［真魚］
@JPN:　…………？
@ENG:

@IDX:18098
@OFF:0x1881
@SPK:[\protag]
@JPN:　昨日は色々迷惑かけてごめんな。
@ENG:

@IDX:18100
@OFF:0x18e4
@SPK:［真魚］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:18103
@OFF:0x1926
@SPK:[\protag]
@JPN:　まだ怒ってるのか？
@ENG:

@IDX:18105
@OFF:0x19f7
@SPK:［真魚］
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:18108
@OFF:0x1a39
@SPK:[\protag]
@JPN:　……真魚？
@ENG:

@IDX:18110
@OFF:0x1b0a
@SPK:［真魚］
@JPN:　あーもう！　急に優しくしないでよ！　今日は一切口を利いてやらないって決めてたのに、そんなに優しくされたら自分が悪者みたいに思えてくるじゃない！
@ENG:

@IDX:18113
@OFF:0x1bd0
@SPK:[\protag]
@JPN:　ご、ごめん。悪いのは僕だよ、真魚は悪くない。
@ENG:

@IDX:18115
@OFF:0x1c41
@SPK:［真魚］
@JPN:　だ、か、ら！！　なんで今日はそんなに優しいのよ！
@ENG:

@IDX:18118
@OFF:0x1ca9
@SPK:[\protag]
@JPN:　僕が真魚に優しくしたらダメなのか？
@ENG:

@IDX:18120
@OFF:0x1d8a
@SPK:［真魚］
@JPN:　だ、ダメってわけじゃないけど……。
@ENG:

@IDX:18121
@OFF:0x1e40
@SPK:
@JPN:もういいわよ！　じゃあミーティングやるからね！
@ENG:

@IDX:18122
@OFF:0x1ea0
@SPK:
@JPN:　怒ったように言う真魚の顔は、何となく照れて赤く　なっているように見えた。
@ENG:

@IDX:18123
@OFF:0x1ef8
@SPK:
@JPN:　ごめんな真魚。
@ENG:

@IDX:18124
@OFF:0x1f16
@SPK:
@JPN:　昨日の僕はどうかしてたんだ。
@ENG:

@IDX:18125
@OFF:0x202f
@SPK:
@JPN:　浮き上がってきたのは若い女性の遺体。
@ENG:

@IDX:18126
@OFF:0x2063
@SPK:
@JPN:　ミーティングで真魚が言っていた通り、傷は全く見　られない。
@ENG:

@IDX:18127
@OFF:0x20bf
@SPK:
@JPN:　今日は昨日のような変則スケジュールではない。
@ENG:

@IDX:18128
@OFF:0x20fb
@SPK:
@JPN:　この遺体さえ洗えば仕事から解放される。
@ENG:

@IDX:18129
@OFF:0x2131
@SPK:
@JPN:　そうしたら、副院長と……。
@ENG:

@IDX:18130
@OFF:0x2182
@SPK:
@JPN:　　　　　『いいわね、楽しそうで……』
@ENG:

@IDX:18131
@OFF:0x21c8
@SPK:
@JPN:　やっかみが聞こえてくるが、気にならない。
@ENG:

@IDX:18132
@OFF:0x2200
@SPK:
@JPN:　こんなものはどうせ、ただの幻聴。
@ENG:

@IDX:18133
@OFF:0x2230
@SPK:
@JPN:　気にしなければいいだけの話だ。
@ENG:

@IDX:18134
@OFF:0x2306
@SPK:
@JPN:　いつものように作業を始める。
@ENG:

@IDX:18135
@OFF:0x2332
@SPK:
@JPN:　浮き上がった遺体の脇に棒をかけて引き寄せる。
@ENG:

@IDX:18136
@OFF:0x2395
@SPK:
@JPN:　『ちょっと、もう少し優しくしてくれない？』
@ENG:

@IDX:18137
@OFF:0x23e1
@SPK:
@JPN:　ははは、こいつ遺体のくせに抗議してるよ。
@ENG:

@IDX:18138
@OFF:0x2419
@SPK:
@JPN:　おっと、真面目に相手なんかする必要はないな。
@ENG:

@IDX:18139
@OFF:0x2455
@SPK:
@JPN:　何しろこれは、僕の幻聴なんだから。
@ENG:

@IDX:18140
@OFF:0x2499
@SPK:
@JPN:　さてと、次はこいつを床に上げないとな。
@ENG:

@IDX:18141
@OFF:0x24cf
@SPK:
@JPN:　遺体の脇に両手を差し入れて抱えようと、プールに　向かって屈み込む。
@ENG:

@IDX:18142
@OFF:0x25e0
@SPK:
@JPN:　突然強い倦怠感に襲われた。
@ENG:

@IDX:18143
@OFF:0x260a
@SPK:
@JPN:　目眩がして膝をついてしまう。
@ENG:

@IDX:18144
@OFF:0x2636
@SPK:
@JPN:　危ない、危ない。
@ENG:

@IDX:18145
@OFF:0x2656
@SPK:
@JPN:　プールに落ちなくてよかった。
@ENG:

@IDX:18146
@OFF:0x2682
@SPK:
@JPN:　そんなことになったらただじゃすまないからな。
@ENG:

@IDX:18147
@OFF:0x26ce
@SPK:
@JPN:　そのままの姿勢で回復を待っているうちに、ダルさ　の原因に気がついた。
@ENG:

@IDX:18148
@OFF:0x2722
@SPK:
@JPN:　そう言えば、今日はまだ薬を飲んでいない。
@ENG:

@IDX:18149
@OFF:0x275a
@SPK:
@JPN:　珍しいことに、今朝は起き抜けから身体が動かせた　から、つい忘れてしまった。
@ENG:

@IDX:18150
@OFF:0x27c6
@SPK:
@JPN:　ゆっくりと身体を起こして、足下を確かめる。
@ENG:

@IDX:18151
@OFF:0x2800
@SPK:
@JPN:　もう目眩はしない。
@ENG:

@IDX:18152
@OFF:0x2822
@SPK:
@JPN:　あるのはいつも通りのダルさだけだ。
@ENG:

@IDX:18153
@OFF:0x291f
@SPK:
@JPN:　とりあえず遺体はそのままで、更衣室に戻る。
@ENG:

@IDX:18154
@OFF:0x2959
@SPK:
@JPN:　このままでは仕事にならない。
@ENG:

@IDX:18155
@OFF:0x2a48
@SPK:
@JPN:　ゴム手袋を外し、荷物の中から薬袋を取り出す。
@ENG:

@IDX:18156
@OFF:0x2a84
@SPK:
@JPN:　青い錠剤を３錠口に含んで、洗面台の蛇口から直接　水を飲む。
@ENG:

@IDX:18157
@OFF:0x2ace
@SPK:
@JPN:　多少口の中で溶けたのか、凄烈な苦味が口に残る。　
@ENG:

@IDX:18158
@OFF:0x2bc9
@SPK:
@JPN:　洗い場に戻って薬が効いてくるのを待つ。
@ENG:

@IDX:18159
@OFF:0x2bff
@SPK:
@JPN:　血流に運ばれた薬の成分が、脳の細胞に染み渡って　いくところをイメージする。
@ENG:

@IDX:18160
@OFF:0x2c71
@SPK:
@JPN:　脳漿全体に拡散する青い薬。
@ENG:

@IDX:18161
@OFF:0x2c9b
@SPK:
@JPN:　脳の皺という皺が青いラインを描く。
@ENG:

@IDX:18162
@OFF:0x2ccd
@SPK:
@JPN:　スポンジが水を吸収するように、脳の中に青い薬の　成分が浸透していく。
@ENG:

@IDX:18163
@OFF:0x2d21
@SPK:
@JPN:　青く染まっていく脳味噌。
@ENG:

@IDX:18164
@OFF:0x2d59
@SPK:
@JPN:　青い薬の成分はさらに細分化され、視床下部を刺激　する。
@ENG:

@IDX:18165
@OFF:0x2d9f
@SPK:
@JPN:　強制的に分泌される脳内麻薬。
@ENG:

@IDX:18166
@OFF:0x2dcb
@SPK:
@JPN:　さらには化学物質受容体にも影響を与え、脳内麻薬　の分泌を異常なほど増大させる。
@ENG:

@IDX:18167
@OFF:0x2e37
@SPK:
@JPN:　そんな空想をしていると、徐々に薬が効いてきて、　身体からダルさが抜けていく。
@ENG:

@IDX:18168
@OFF:0x2e93
@SPK:
@JPN:　それと共に、意識が冴えてくる感じがする。
@ENG:

@IDX:18169
@OFF:0x2ecb
@SPK:
@JPN:　研ぎ澄まされる五感。
@ENG:

@IDX:18170
@OFF:0x2eef
@SPK:
@JPN:　今なら１キロ先の針の音でさえ聞き取れそうな気が　する。
@ENG:

@IDX:18171
@OFF:0x2f47
@SPK:
@JPN:　さて、薬が効いてきた。
@ENG:

@IDX:18172
@OFF:0x2f6d
@SPK:
@JPN:　作業を再開しよう。
@ENG:

@IDX:18173
@OFF:0x2fb6
@SPK:
@JPN:　　　　　『ようやく洗ってくれるのね』
@ENG:

@IDX:18174
@OFF:0x2ffa
@SPK:
@JPN:　遺体の声が聞こえてきたが、そんなものは無視。
@ENG:

@IDX:18175
@OFF:0x3036
@SPK:
@JPN:　薬が効いている僕なら、余裕で聞き流せる。
@ENG:

@IDX:18176
@OFF:0x306e
@SPK:
@JPN:　どうせただの幻聴なんだ。
@ENG:

@IDX:18177
@OFF:0x3096
@SPK:
@JPN:　相手にしたってムダムダ。
@ENG:

@IDX:18178
@OFF:0x3147
@SPK:
@JPN:　世界がなぜか歪んでくる。
@ENG:

@IDX:18179
@OFF:0x31f0
@SPK:
@JPN:　どうせこれもただの幻覚。
@ENG:

@IDX:18180
@OFF:0x3297
@SPK:
@JPN:　実際はいつも通りの仕事場のはずだ。
@ENG:

@IDX:18181
@OFF:0x32c7
@SPK:
@JPN:　気にしない、気にしない。
@ENG:

@IDX:18182
@OFF:0x3307
@SPK:
@JPN:　プールサイドに立って、遺体を見下ろす。
@ENG:

@IDX:18183
@OFF:0x333d
@SPK:
@JPN:　早くこの遺体を洗って、副院長と……。
@ENG:

@IDX:18186
@OFF:0x343b
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:18187
@OFF:0x347d
@SPK:
@JPN:　　　　　　　　　『…………』
@ENG:

@IDX:18190
@OFF:0x34e5
@SPK:[\protag]
@JPN:　…………。
@ENG:

@IDX:18191
@OFF:0x353a
@SPK:
@JPN:　　　　　『ねえ、洗ってくれないの？』
@ENG:

@IDX:18194
@OFF:0x35b2
@SPK:[\protag]
@JPN:　うわーーーーーーー！！！
@ENG:

@IDX:18195
@OFF:0x360c
@SPK:
@JPN:　な、なななな、なんだよ！
@ENG:

@IDX:18196
@OFF:0x3634
@SPK:
@JPN:　これなんだよ！
@ENG:

@IDX:18197
@OFF:0x3652
@SPK:
@JPN:　さっきと違う！　さっきと違うよ！！
@ENG:

@IDX:18198
@OFF:0x3694
@SPK:
@JPN:　僕の目に映ったのは、さっきまであった女性の遺体　ではなかった。
@ENG:

@IDX:18199
@OFF:0x36e2
@SPK:
@JPN:　確かに女性は女性なのだが、身体中の皮膚が剥がれ　落ちている剥き身の女性だった。
@ENG:

@IDX:18200
@OFF:0x3752
@SPK:
@JPN:　薬によって人工的にもたらされた余裕は消し飛び、　恐慌が頭の中を駆け巡る。
@ENG:

@IDX:18201
@OFF:0x37bc
@SPK:
@JPN:　なんで？　どうして？
@ENG:

@IDX:18202
@OFF:0x37e0
@SPK:
@JPN:　頭の中が疑問符の洪水で埋め尽くされ、何の考えも　まとまらなくなる。
@ENG:

@IDX:18203
@OFF:0x3859
@SPK:
@JPN:　　　　　　　　　『ねえ……』
@ENG:

@IDX:18206
@OFF:0x38c1
@SPK:[\protag]
@JPN:　ひっ！
@ENG:

@IDX:18207
@OFF:0x38f9
@SPK:
@JPN:　さっきまで、余裕で聞き流せていた遺体の言葉も、　今では恐怖で無視することができない。
@ENG:

@IDX:18208
@OFF:0x395d
@SPK:
@JPN:　自分が感じていた自信がどれだけ無根拠だったのか　思い知らされる。
@ENG:

@IDX:18209
@OFF:0x39ad
@SPK:
@JPN:　怖い、怖い。
@ENG:

@IDX:18210
@OFF:0x39c9
@SPK:
@JPN:　この遺体が怖い。
@ENG:

@IDX:18211
@OFF:0x39f9
@SPK:
@JPN:　皮膚が欠落し、赤く繊維を晒した筋肉。
@ENG:

@IDX:18212
@OFF:0x3a2d
@SPK:
@JPN:　眼球ではなく暗闇の深遠を覗かせる眼窩。
@ENG:

@IDX:18213
@OFF:0x3a63
@SPK:
@JPN:　剥き出しになった白い歯。
@ENG:

@IDX:18214
@OFF:0x3a8b
@SPK:
@JPN:　脂肪の塊でしかない片乳房。
@ENG:

@IDX:18215
@OFF:0x3ac7
@SPK:
@JPN:　恐ろしいまでに強烈なその存在感。
@ENG:

@IDX:18216
@OFF:0x3af7
@SPK:
@JPN:　死というものが鮮明な実感を伴って迫ってくる。
@ENG:

@IDX:18217
@OFF:0x3b5a
@SPK:
@JPN:　　　　　　『洗ってくれないの？』
@ENG:

@IDX:18220
@OFF:0x3bc6
@SPK:[\protag]
@JPN:　ーーーーーーーーーー！！！！
@ENG:

@IDX:18221
@OFF:0x3cb6
@SPK:
@JPN:　死そのものとも言える遺体から発せられた言葉は、　僕にかつてないほどの脅威を感じさせた。
@ENG:

@IDX:18222
@OFF:0x3d1c
@SPK:
@JPN:　声にならない叫びをあげ、重い扉に飛びつく。
@ENG:

@IDX:18223
@OFF:0x3d56
@SPK:
@JPN:　この部屋にはいたくない。
@ENG:

@IDX:18224
@OFF:0x3d7e
@SPK:
@JPN:　あの遺体に近寄りたくない。
@ENG:

@IDX:18225
@OFF:0x3da8
@SPK:
@JPN:　それだけが頭の中にあった。
@ENG:

@IDX:18226
@OFF:0x3df6
@SPK:
@JPN:　そ、そんな！
@ENG:

@IDX:18227
@OFF:0x3e12
@SPK:
@JPN:　開かない、扉が開かない！
@ENG:

@IDX:18228
@OFF:0x3e64
@SPK:
@JPN:　なんで！　なんでだよ！！
@ENG:

@IDX:18229
@OFF:0x3e8c
@SPK:
@JPN:　開かない！
@ENG:

@IDX:18230
@OFF:0x3ea6
@SPK:
@JPN:　開かないよ！！
@ENG:

@IDX:18233
@OFF:0x3f18
@SPK:[\protag]
@JPN:　誰か！　ここを開けて！
@ENG:

@IDX:18236
@OFF:0x3f94
@SPK:[\protag]
@JPN:　お願いだよ！！　誰か助けて！！
@ENG:

@IDX:18239
@OFF:0x401e
@SPK:[\protag]
@JPN:　！？
@ENG:

@IDX:18240
@OFF:0x4058
@SPK:
@JPN:　な、なんだ。
@ENG:

@IDX:18241
@OFF:0x4074
@SPK:
@JPN:　僕が扉を叩く音に、何か別の音が混じった。
@ENG:

@IDX:18242
@OFF:0x40ac
@SPK:
@JPN:　なんだ？　一体なんなんだ？
@ENG:

@IDX:18243
@OFF:0x40e6
@SPK:
@JPN:　扉を叩くのをやめて耳を澄ませてみる。
@ENG:

@IDX:18244
@OFF:0x411a
@SPK:
@JPN:　この部屋の中には僕以外に音を出す存在はない。
@ENG:

@IDX:18245
@OFF:0x4156
@SPK:
@JPN:　いないはずだ。
@ENG:

@IDX:18246
@OFF:0x4174
@SPK:
@JPN:　気のせいだ。
@ENG:

@IDX:18247
@OFF:0x4190
@SPK:
@JPN:　気のせいに決まってる。
@ENG:

@IDX:18248
@OFF:0x41d8
@SPK:
@JPN:　！？
@ENG:

@IDX:18249
@OFF:0x41fe
@SPK:
@JPN:　あ、足音！？
@ENG:

@IDX:18250
@OFF:0x422c
@SPK:
@JPN:　う、ウソだ。そんなはずはない！？
@ENG:

@IDX:18251
@OFF:0x426e
@SPK:
@JPN:　あの遺体が立ち上がった！？
@ENG:

@IDX:18252
@OFF:0x42aa
@SPK:
@JPN:　そんなことあるわけない！
@ENG:

@IDX:18253
@OFF:0x42f6
@SPK:
@JPN:　ち、近づいて来る！？
@ENG:

@IDX:18254
@OFF:0x432c
@SPK:
@JPN:　そんなことあり得ない！
@ENG:

@IDX:18255
@OFF:0x4364
@SPK:
@JPN:　そんなこと信じられるか！
@ENG:

@IDX:18256
@OFF:0x43ae
@SPK:
@JPN:　で、でも……。
@ENG:

@IDX:18257
@OFF:0x43de
@SPK:
@JPN:　この部屋には僕とあの遺体しかない。
@ENG:

@IDX:18258
@OFF:0x4422
@SPK:
@JPN:　そして僕はここにいる。
@ENG:

@IDX:18259
@OFF:0x445a
@SPK:
@JPN:　じゃあ、この足音は……。
@ENG:

@IDX:18260
@OFF:0x4494
@SPK:
@JPN:　湿った足音が急に消失する。
@ENG:

@IDX:18261
@OFF:0x44be
@SPK:
@JPN:　しばらくじっと黙っていても足音は聞こえない。
@ENG:

@IDX:18262
@OFF:0x4514
@SPK:
@JPN:　僕に向かって徐々に近づいて来ていた足音。
@ENG:

@IDX:18263
@OFF:0x454c
@SPK:
@JPN:　かなりそばまで来ているように聞こえた。
@ENG:

@IDX:18264
@OFF:0x4582
@SPK:
@JPN:　その足音が止まった……。
@ENG:

@IDX:18265
@OFF:0x45ba
@SPK:
@JPN:　振り向きたい衝動に駆られる。
@ENG:

@IDX:18266
@OFF:0x45e6
@SPK:
@JPN:　恐怖がそれを抑える。
@ENG:

@IDX:18267
@OFF:0x460a
@SPK:
@JPN:　背後から感じる気配。
@ENG:

@IDX:18268
@OFF:0x462e
@SPK:
@JPN:　それは生き物のものとは違った、冷たい気配。
@ENG:

@IDX:18269
@OFF:0x4668
@SPK:
@JPN:　闇の気配……。
@ENG:

@IDX:18270
@OFF:0x46a4
@SPK:
@JPN:　重い静寂に堪えきれなくなって、扉を叩き出す。
@ENG:

@IDX:18271
@OFF:0x46e0
@SPK:
@JPN:　力を入れすぎて拳が痛くなってくる。
@ENG:

@IDX:18272
@OFF:0x4712
@SPK:
@JPN:　それでも扉を叩き続ける。
@ENG:

@IDX:18275
@OFF:0x4776
@SPK:[\protag]
@JPN:　誰か！　誰かいないの！　出してよ！　ここから出してよ！！
@ENG:

@IDX:18276
@OFF:0x47e4
@SPK:
@JPN:　扉のむこうからは何の応答もない。
@ENG:

@IDX:18277
@OFF:0x4814
@SPK:
@JPN:　誰もいないのか、誰にも聞こえていないのか。
@ENG:

@IDX:18278
@OFF:0x484e
@SPK:
@JPN:　孤独に対する焦燥感が強まってくる。
@ENG:

@IDX:18279
@OFF:0x4892
@SPK:
@JPN:　いくら叩いても扉は開かない。
@ENG:

@IDX:18280
@OFF:0x48be
@SPK:
@JPN:　恐ろしい妄想が、泡のように浮かんでくる。
@ENG:

@IDX:18281
@OFF:0x4904
@SPK:
@JPN:　この病院には誰もいないのかもしれない。
@ENG:

@IDX:18282
@OFF:0x493a
@SPK:
@JPN:　この世界には何も存在しないのかもしれない。
@ENG:

@IDX:18283
@OFF:0x4974
@SPK:
@JPN:　茫漠とした暗黒の中、冷たく鉄扉に閉ざされたこの　空間だけが漂流している……。
@ENG:

@IDX:18284
@OFF:0x49d0
@SPK:
@JPN:　その世界には何もない……。
@ENG:

@IDX:18285
@OFF:0x49fa
@SPK:
@JPN:　僕と、あの遺体以外は……。
@ENG:

@IDX:18286
@OFF:0x4a3c
@SPK:
@JPN:　そんな悪夢めいた考えを振り払うように、さらに拳　に力を込める。
@ENG:

@IDX:18287
@OFF:0x4b13
@SPK:
@JPN:　……突然感じた冷たい風。
@ENG:

@IDX:18288
@OFF:0x4b3b
@SPK:
@JPN:　扉を叩く手が止まる。
@ENG:

@IDX:18289
@OFF:0x4b71
@SPK:
@JPN:　再び訪れる静寂。
@ENG:

@IDX:18290
@OFF:0x4b91
@SPK:
@JPN:　己の息遣いさえも凍てついたかのような、完全なる　沈黙……。
@ENG:

@IDX:18291
@OFF:0x4beb
@SPK:
@JPN:　……背中に絡みつく何者かの視線。
@ENG:

@IDX:18292
@OFF:0x4c1b
@SPK:
@JPN:　全身総毛立つほどの圧迫感に突き動かされるように　軋みながら首が背後へと回ってゆく。
@ENG:

@IDX:18293
@OFF:0x4c7d
@SPK:
@JPN:　そこには…………。
@ENG:

@IDX:18294
@OFF:0x4dc5
@SPK:
@JPN:　　　　『私は洗ってくれないの……？』
@ENG:

@IDX:18297
@OFF:0x4e98
@SPK:[\protag]
@JPN:　ひぃぃぃぃぃーーーーーー！！！
@ENG:

@IDX:18298
@OFF:0x4f8b
@SPK:
@JPN:　恐怖が限界に達した瞬間扉が開いた。
@ENG:

@IDX:18299
@OFF:0x4fbd
@SPK:
@JPN:　あれだけ頑固に閉じ続けた扉がなぜ？
@ENG:

@IDX:18300
@OFF:0x4fef
@SPK:
@JPN:　だがそんな疑問は瞬時に吹き飛んだ。
@ENG:

@IDX:18301
@OFF:0x5021
@SPK:
@JPN:　もう耐えられなかった。
@ENG:

@IDX:18302
@OFF:0x5047
@SPK:
@JPN:　これ以上あそこにはいられなかった。
@ENG:

@IDX:18305
@OFF:0x5227
@SPK:[\protag]
@JPN:　はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……。
@ENG:

@IDX:18306
@OFF:0x5283
@SPK:
@JPN:　恐怖に駆られた僕は、副院長の下へと走った。
@ENG:

@IDX:18307
@OFF:0x52bd
@SPK:
@JPN:　唯一の安らぎ、唯一の平安、唯一の安息。
@ENG:

@IDX:18308
@OFF:0x52f3
@SPK:
@JPN:　それらを僕に与えてくれるのは、もう副院長だけに　思えた。
@ENG:

@IDX:18309
@OFF:0x542f
@SPK:
@JPN:　しかし、副院長はいなかった。
@ENG:

@IDX:18310
@OFF:0x545b
@SPK:
@JPN:　期待していた分だけ落胆は大きかった。
@ENG:

@IDX:18311
@OFF:0x548f
@SPK:
@JPN:　沈みかけた心が一本の蜘蛛の糸に絡め取られる。
@ENG:

@IDX:18312
@OFF:0x54cb
@SPK:
@JPN:　もしかすると仮眠室かもしれない！
@ENG:

@IDX:18313
@OFF:0x54fb
@SPK:
@JPN:　閃いた考えが、唯一の正解に思えた。
@ENG:

@IDX:18314
@OFF:0x5628
@SPK:
@JPN:　仮眠室にも副院長はいなかった。
@ENG:

@IDX:18315
@OFF:0x5664
@SPK:
@JPN:　副院長がいない。
@ENG:

@IDX:18316
@OFF:0x5684
@SPK:
@JPN:　僕の副院長がいない。
@ENG:

@IDX:18317
@OFF:0x56a8
@SPK:
@JPN:　見捨てられたのかもしれない。
@ENG:

@IDX:18318
@OFF:0x56d4
@SPK:
@JPN:　僕は見捨てられたのかもしれない。
@ENG:

@IDX:18319
@OFF:0x5704
@SPK:
@JPN:　心が不安でいっぱいになる。
@ENG:

@IDX:18320
@OFF:0x572e
@SPK:
@JPN:　唯一の心の拠り所が失われるという恐怖感。
@ENG:

@IDX:18321
@OFF:0x5766
@SPK:
@JPN:　イヤだ。そんなのイヤだ！
@ENG:

@IDX:18322
@OFF:0x579e
@SPK:
@JPN:　いないのか？
@ENG:

@IDX:18323
@OFF:0x57ba
@SPK:
@JPN:　本当に副院長はいないのか？
@ENG:

@IDX:18324
@OFF:0x57e4
@SPK:
@JPN:　キョロキョロとまわりを見回すと、何か白いものが　はみ出しているクローゼットに気がついた。
@ENG:

@IDX:18325
@OFF:0x585e
@SPK:
@JPN:　もしかするとあそこに隠れているかもしれない。
@ENG:

@IDX:18326
@OFF:0x589a
@SPK:
@JPN:　自分でも馬鹿なことだと分かっていた。
@ENG:

@IDX:18327
@OFF:0x58ce
@SPK:
@JPN:　でも確かめずにはいられなかった。
@ENG:

@IDX:18328
@OFF:0x590c
@SPK:
@JPN:　クローゼットに歩み寄る。
@ENG:

@IDX:18329
@OFF:0x5934
@SPK:
@JPN:　すると、部屋に漂う沈香の香り以外の何か別の臭気　を感じる。
@ENG:

@IDX:18330
@OFF:0x597e
@SPK:
@JPN:　それはこのクローゼットの中からにおって来ている　ようだ。
@ENG:

@IDX:18331
@OFF:0x59c6
@SPK:
@JPN:　なぜか親しみを感じる香り、嗅ぎ慣れた香り。
@ENG:

@IDX:18332
@OFF:0x5a12
@SPK:
@JPN:　何の警戒もせずに、クローゼットに手をかける。
@ENG:

@IDX:18333
@OFF:0x5a4e
@SPK:
@JPN:　躊躇することなく、その扉を開く。
@ENG:

@IDX:18334
@OFF:0x5a7e
@SPK:
@JPN:　そこには副院長ではなく……。
@ENG:

@IDX:18335
@OFF:0x5d86
@SPK:
@JPN:　　　　　　　　御堂さんがいた。
@ENG:

@IDX:18336
@OFF:0x5dc4
@SPK:
@JPN:　見開かれたままの生気を失った瞳。
@ENG:

@IDX:18337
@OFF:0x5df4
@SPK:
@JPN:　べっとりと顔に張りついた髪。
@ENG:

@IDX:18338
@OFF:0x5e20
@SPK:
@JPN:　くすんだ肌の色。
@ENG:

@IDX:18339
@OFF:0x5e40
@SPK:
@JPN:　どう見てもそれは生きてはいなかった。
@ENG:

@IDX:18340
@OFF:0x5f49
@SPK:
@JPN:　脳裏に一瞬蘇る記憶。
@ENG:

@IDX:18341
@OFF:0x5f6d
@SPK:
@JPN:　はっきりとは思い出せない。
@ENG:

@IDX:18342
@OFF:0x5f97
@SPK:
@JPN:　だが、僕はこれを前に見ている……。
@ENG:

@IDX:18343
@OFF:0x5fc9
@SPK:
@JPN:　いつ、いつだ？
@ENG:

@IDX:18344
@OFF:0x60be
@SPK:
@JPN:　分からない、思い出せない。
@ENG:

@IDX:18345
@OFF:0x60e8
@SPK:
@JPN:　僕はいつこれを見たんだ？
@ENG:

@IDX:18346
@OFF:0x6110
@SPK:
@JPN:　どこでこれを見たんだ？
@ENG:

@IDX:18347
@OFF:0x614a
@SPK:
@JPN:　僕はこの『死体』をいつ見たんだ？
@ENG:

@IDX:18348
@OFF:0x6909
@SPK:
@JPN:　　　『あなたが私を殺したんじゃない……』
@ENG:

@IDX:18349
@OFF:0x6951
@SPK:
@JPN:　御堂さんの声が聞こえてくる。
@ENG:

@IDX:18350
@OFF:0x697d
@SPK:
@JPN:　そうだ。
@ENG:

@IDX:18351
@OFF:0x6995
@SPK:
@JPN:　この『死体』は僕が作った。
@ENG:

@IDX:18352
@OFF:0x69bf
@SPK:
@JPN:　御堂さんは僕が『殺した』んだ。
@ENG:

@IDX:18353
@OFF:0x69ff
@SPK:
@JPN:　頭の中に次々と声が聞こえてくる。
@ENG:

@IDX:18354
@OFF:0x6a2f
@SPK:
@JPN:　これまで洗ってきた死体の声が……。
@ENG:

@IDX:18355
@OFF:0x6b59
@SPK:
@JPN:　『
@ENG:

@IDX:18356
@OFF:0x6b69
@SPK:
@JPN:あ
@ENG:

@IDX:18357
@OFF:0x6b77
@SPK:
@JPN:ん
@ENG:

@IDX:18358
@OFF:0x6b85
@SPK:
@JPN:た
@ENG:

@IDX:18359
@OFF:0x6b93
@SPK:
@JPN:は
@ENG:

@IDX:18360
@OFF:0x6ba1
@SPK:
@JPN:死
@ENG:

@IDX:18361
@OFF:0x6baf
@SPK:
@JPN:体
@ENG:

@IDX:18362
@OFF:0x6bbd
@SPK:
@JPN:を
@ENG:

@IDX:18363
@OFF:0x6bcb
@SPK:
@JPN:洗
@ENG:

@IDX:18364
@OFF:0x6bd9
@SPK:
@JPN:う
@ENG:

@IDX:18365
@OFF:0x6be7
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18366
@OFF:0x6bf5
@SPK:
@JPN:が
@ENG:

@IDX:18367
@OFF:0x6c03
@SPK:
@JPN:仕
@ENG:

@IDX:18368
@OFF:0x6c11
@SPK:
@JPN:事
@ENG:

@IDX:18369
@OFF:0x6c1f
@SPK:
@JPN:じ
@ENG:

@IDX:18370
@OFF:0x6c2d
@SPK:
@JPN:ゃ
@ENG:

@IDX:18371
@OFF:0x6c3b
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18372
@OFF:0x6c49
@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:18373
@OFF:0x6c57
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18374
@OFF:0x6c65
@SPK:
@JPN:か
@ENG:

@IDX:18375
@OFF:0x6c73
@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:18376
@OFF:0x6c81
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:18377
@OFF:0x6d99
@SPK:
@JPN:　　　　　『
@ENG:

@IDX:18378
@OFF:0x6db1
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18379
@OFF:0x6dbf
@SPK:
@JPN:ぜ
@ENG:

@IDX:18380
@OFF:0x6dcd
@SPK:
@JPN:殺
@ENG:

@IDX:18381
@OFF:0x6ddb
@SPK:
@JPN:し
@ENG:

@IDX:18382
@OFF:0x6de9
@SPK:
@JPN:た
@ENG:

@IDX:18383
@OFF:0x6df7
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18384
@OFF:0x6e05
@SPK:
@JPN:に
@ENG:

@IDX:18385
@OFF:0x6e13
@SPK:
@JPN:洗
@ENG:

@IDX:18386
@OFF:0x6e21
@SPK:
@JPN:わ
@ENG:

@IDX:18387
@OFF:0x6e2f
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18388
@OFF:0x6e3d
@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:18389
@OFF:0x6e4b
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18390
@OFF:0x6e59
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:18391
@OFF:0x6f85
@SPK:
@JPN:『
@ENG:

@IDX:18392
@OFF:0x6f93
@SPK:
@JPN:ど
@ENG:

@IDX:18393
@OFF:0x6fa1
@SPK:
@JPN:う
@ENG:

@IDX:18394
@OFF:0x6faf
@SPK:
@JPN:し
@ENG:

@IDX:18395
@OFF:0x6fbd
@SPK:
@JPN:て
@ENG:

@IDX:18396
@OFF:0x6fcb
@SPK:
@JPN:そ
@ENG:

@IDX:18397
@OFF:0x6fd9
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18398
@OFF:0x6fe7
@SPK:
@JPN:ま
@ENG:

@IDX:18399
@OFF:0x6ff5
@SPK:
@JPN:ま
@ENG:

@IDX:18400
@OFF:0x7003
@SPK:
@JPN:に
@ENG:

@IDX:18401
@OFF:0x7011
@SPK:
@JPN:し
@ENG:

@IDX:18402
@OFF:0x701f
@SPK:
@JPN:て
@ENG:

@IDX:18403
@OFF:0x702d
@SPK:
@JPN:お
@ENG:

@IDX:18404
@OFF:0x703b
@SPK:
@JPN:く
@ENG:

@IDX:18405
@OFF:0x7049
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18406
@OFF:0x7057
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:18407
@OFF:0x716f
@SPK:
@JPN:　　　　『
@ENG:

@IDX:18408
@OFF:0x7185
@SPK:
@JPN:洗
@ENG:

@IDX:18409
@OFF:0x7193
@SPK:
@JPN:わ
@ENG:

@IDX:18410
@OFF:0x71a1
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18411
@OFF:0x71af
@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:18412
@OFF:0x71bd
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18413
@OFF:0x71cb
@SPK:
@JPN:ら
@ENG:

@IDX:18414
@OFF:0x71d9
@SPK:
@JPN:お
@ENG:

@IDX:18415
@OFF:0x71e7
@SPK:
@JPN:前
@ENG:

@IDX:18416
@OFF:0x71f5
@SPK:
@JPN:も
@ENG:

@IDX:18417
@OFF:0x7203
@SPK:
@JPN:殺
@ENG:

@IDX:18418
@OFF:0x7211
@SPK:
@JPN:し
@ENG:

@IDX:18419
@OFF:0x721f
@SPK:
@JPN:て
@ENG:

@IDX:18420
@OFF:0x722d
@SPK:
@JPN:や
@ENG:

@IDX:18421
@OFF:0x723b
@SPK:
@JPN:る
@ENG:

@IDX:18422
@OFF:0x7249
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:18423
@OFF:0x7361
@SPK:
@JPN:　　　『
@ENG:

@IDX:18424
@OFF:0x7375
@SPK:
@JPN:仕
@ENG:

@IDX:18425
@OFF:0x7383
@SPK:
@JPN:事
@ENG:

@IDX:18426
@OFF:0x7391
@SPK:
@JPN:の
@ENG:

@IDX:18427
@OFF:0x739f
@SPK:
@JPN:で
@ENG:

@IDX:18428
@OFF:0x73ad
@SPK:
@JPN:き
@ENG:

@IDX:18429
@OFF:0x73bb
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18430
@OFF:0x73c9
@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:18431
@OFF:0x73d7
@SPK:
@JPN:あ
@ENG:

@IDX:18432
@OFF:0x73e5
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18433
@OFF:0x73f3
@SPK:
@JPN:た
@ENG:

@IDX:18434
@OFF:0x7401
@SPK:
@JPN:は
@ENG:

@IDX:18435
@OFF:0x740f
@SPK:
@JPN:殺
@ENG:

@IDX:18436
@OFF:0x741d
@SPK:
@JPN:し
@ENG:

@IDX:18437
@OFF:0x742b
@SPK:
@JPN:な
@ENG:

@IDX:18438
@OFF:0x7439
@SPK:
@JPN:さ
@ENG:

@IDX:18439
@OFF:0x7447
@SPK:
@JPN:い
@ENG:

@IDX:18440
@OFF:0x7455
@SPK:
@JPN:』
@ENG:

@IDX:18442
@OFF:0x90c2
@SPK:　死体たちの声が止み静寂が訪れる。
@JPN:　そして……
@ENG:

@IDX:18443
@OFF:0x90e2
@SPK:
@JPN:僕の心を現実から乖離させる最後の声が　響いた。
@ENG:

@IDX:18445
@OFF:0x93bb
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　……次のニュースです。
@ENG:

@IDX:18447
@OFF:0x941e
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　昨日、総合大学付属病院で発生した無差別殺傷事件の容疑者が普段からかなりの量の薬物を摂取していたことが、捜査本部の調べで明らかになりました。
@ENG:

@IDX:18449
@OFF:0x94f5
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　捜査本部では、薬物の入手経路を調べるとともに、病院関係者から詳しく事情を聞くことにしています。
@ENG:

@IDX:18451
@OFF:0x95a0
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　また、事件現場から、同病院の院長の遺体が防腐処理を施された形で発見されており、警察では今回の事件との関連性を調べています。
@ENG:

@IDX:18453
@OFF:0x9667
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　この事件で亡くなった方々のお名前は以下の通りです。
@ENG:

@IDX:18455
@OFF:0x96e6
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　同病院医師、北信二郎さん。看護婦、御堂悠紀さん、中坊林子さん、小鳥遊冴子さん。同病院職員、鏑木正元さん……。
@ENG:

@IDX:18457
@OFF:0x979f
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　なお、身元の判明していない遺体は、服装などから、現在行方が分からなくなっている同病院副院長、露崎千草さんではないかと見られています。
@ENG:

@IDX:18459
@OFF:0x9870
@SPK:［アナウンサー］
@JPN:　続きまして、次のニュース。群馬県赤城市において……。
@ENG:

@IDX:18461
@OFF:0xa321
@SPK:［若い看守］
@JPN:　おい、飯だぞ！　３２６号！
@ENG:

@IDX:18463
@OFF:0xa388
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　バカ！　そこのやつに顔を見せるな！
@ENG:

@IDX:18465
@OFF:0xa3f3
@SPK:［若い看守］
@JPN:　え？
@ENG:

@IDX:18468
@OFF:0xa4e4
@SPK:[\protag]
@JPN:　殺す……。
@ENG:

@IDX:18470
@OFF:0xa537
@SPK:［若い看守］
@JPN:　な、なんすか、こいつ？
@ENG:

@IDX:18472
@OFF:0xa59a
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　ほら、こないだあっただろ、病院で大量虐殺事件が。
@ENG:

@IDX:18474
@OFF:0xa613
@SPK:［若い看守］
@JPN:　もしかして……。
@ENG:

@IDX:18476
@OFF:0xa670
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　そうだ、こいつが犯人だ。
@ENG:

@IDX:18478
@OFF:0xa6d1
@SPK:［若い看守］
@JPN:　へー、なるほど、かなりイッちゃってますね……。
@ENG:

@IDX:18481
@OFF:0xa749
@SPK:[\protag]
@JPN:　殺す……。
@ENG:

@IDX:18483
@OFF:0xa79c
@SPK:［若い看守］
@JPN:　うわっ！
@ENG:

@IDX:18485
@OFF:0xa7f1
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　だから、顔を見せるなって言ってんだろ。
@ENG:

@IDX:18487
@OFF:0xa860
@SPK:［若い看守］
@JPN:　な、なんなんすか？
@ENG:

@IDX:18489
@OFF:0xa8bf
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　さあ？　そんなの俺が知るわけないだろ。なに考えてるのかは知らんけどな、手当たり次第に誰でも殺そうとするんだと。
@ENG:

@IDX:18491
@OFF:0xa976
@SPK:［若い看守］
@JPN:　て、手当たり次第……ですか！？
@ENG:

@IDX:18493
@OFF:0xa9e1
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　ああ、それで口にするのは、『殺す』『洗う』『死体』だけ。
@ENG:

@IDX:18495
@OFF:0xaa62
@SPK:［若い看守］
@JPN:　『殺す』と『死体』は、まあなんとなく分かります。でも……『洗う』だけなんか浮いてませんか？
@ENG:

@IDX:18497
@OFF:0xab09
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　こいつの仕事に関係あるんじゃないか？
@ENG:

@IDX:18499
@OFF:0xab76
@SPK:［若い看守］
@JPN:　仕事って、こいつ何してたんですか？
@ENG:

@IDX:18501
@OFF:0xabe5
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　遺体の清掃作業らしいぞ。
@ENG:

@IDX:18503
@OFF:0xac46
@SPK:［若い看守］
@JPN:　遺体の清掃？
@ENG:

@IDX:18505
@OFF:0xac9f
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　まあ、分かりやすく言えば『死体洗い』だ。
@ENG:

@IDX:18507
@OFF:0xad10
@SPK:［若い看守］
@JPN:　『死体洗い』……そのせいで、こんな状態に？
@ENG:

@IDX:18509
@OFF:0xad87
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　いや、仕事は関係ないらしい。なんでもヤク中なんだとよ。
@ENG:

@IDX:18511
@OFF:0xae06
@SPK:［若い看守］
@JPN:　ヤク……。シャブっすかね？
@ENG:

@IDX:18513
@OFF:0xae6d
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　いや、詳しくは知らんがな、新薬らしいぞ。
@ENG:

@IDX:18515
@OFF:0xaede
@SPK:［若い看守］
@JPN:　新薬？
@ENG:

@IDX:18517
@OFF:0xaf31
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　ああ。
@ENG:

@IDX:18519
@OFF:0xaf80
@SPK:［若い看守］
@JPN:　そんなのこいつ、どうやって手に入れたんでしょうね？
@ENG:

@IDX:18521
@OFF:0xafff
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　さあな、それは俺たちが考えることじゃないだろう。
@ENG:

@IDX:18523
@OFF:0xb078
@SPK:［若い看守］
@JPN:　もしかして、何かの実験に巻き込まれた……とか。
@ENG:

@IDX:18525
@OFF:0xb0f3
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　お前なぁ……、下らん本の読みすぎじゃないのか？
@ENG:

@IDX:18527
@OFF:0xb16a
@SPK:［若い看守］
@JPN:　ははは、冗談ですよ、冗談。
@ENG:

@IDX:18530
@OFF:0xb1ce
@SPK:[\protag]
@JPN:　殺す……。
@ENG:

@IDX:18532
@OFF:0xb221
@SPK:［若い看守］
@JPN:　うわっ！
@ENG:

@IDX:18534
@OFF:0xb276
@SPK:［ベテラン看守］
@JPN:　ふん……こんなところで立ち話なんかするもんじゃない。行くぞ！
@ENG:

@IDX:18536
@OFF:0xb2fb
@SPK:［若い看守］
@JPN:　は、はい！
@ENG:

@IDX:18539
@OFF:0xb3d2
@SPK:[\protag]
@JPN:　洗えない……。
@ENG:

